オンラインゲームの最中に自分のキャラだけワープしたり、ビデオ通話で相手の声がブツッと途切れたり——速度を測ると数字は出ているのに「なんだか不安定」なとき、その正体はパケットロスかもしれません。速度(Mbps)は正常でも、データの一部が途中で消えてしまっていると、体感だけがガクッと悪くなるのです。
結論からお伝えすると、パケットロスは特別な機材がなくても、パソコンに最初から入っている「ping(ピン)」というコマンドや、ブラウザで開くだけの無料サイトで誰でも測定できます。大事なのは、正しいやり方で測り、出てきた数字を「これは異常なのか、許容範囲なのか」と正しく読み解くことです。
この記事では、パケットロスの仕組みから、Windows・Mac・スマホそれぞれの測定方法、無料ツールの使い分け、結果の見方、そして原因の切り分けと自分でできる改善ステップまで、隣に座って一緒に画面を見ながら教えるつもりで順番に解説します。J:COMのようなケーブルテレビ回線を使っている方向けの注意点もあわせて紹介します。
・パケットロスとは何か、なぜ起きるのかの仕組み
・pingコマンドと無料サイトを使った具体的な測定手順
・測定結果が「何パーセントから異常」なのかの判断基準
・原因の切り分け方と、自分でできる改善ステップ
そもそもパケットロスとは?通信が「消える」仕組みをやさしく解説

パケットロスを測る前に、まずは「何が起きているのか」を押さえておきましょう。ここがわかると、測定結果の数字の意味がスッと理解できるようになります。
データは小さな小包に分けて運ばれている
インターネットでやり取りされるデータは、動画も画像もメッセージも、すべて「パケット」と呼ばれる小さな小包に分割されて運ばれています。パケットロスとは、この小包の一部または全部が届け先まで正常に届かず、途中で消えてしまう現象のことです。荷物を100個送ったのに3個が配達されずに消えた、というイメージが近いでしょう。
ネットワーク品質の技術解説はJPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)の資料でも学べます。
仕組みとしては、ネットワーク機器が処理できる量を超えてパケットが流れたとき、あふれた分が捨てられることで起こります。確認するには後述するpingコマンドで「損失(loss)」の割合を見ます。注意したいのは、消えたパケットは多くの場合自動で再送される点です。だからこそ表面上は気づきにくく、「なんとなく不安定」という形で体感に表れます。
速度(Mbps)が出ているのに不安定な理由
速度テストで「下り300Mbps出ています」と表示されても快適とは限りません。速度は「1秒間にどれだけ運べるか」の量を表す数字で、パケットロスは「運ぶ途中でどれだけ落とすか」の安定性を表す数字だからです。太い道路でも、ところどころ荷物がこぼれ落ちていたら荷物は揃わない、という関係です。
とくにオンラインゲームやビデオ通話のようなリアルタイム通信では、落ちたパケットの再送を待つわずかな時間が「ラグ」や「音の途切れ」として一気に表面化します。確認するときは、速度の数字だけでなく、損失率(パケットロス率)とping値(応答の速さ)の両方を見る習慣をつけてください。速度だけ見て「異常なし」と判断するのが、よくある見落としです。
「パケットつまり」との違いも知っておこう
SNSなどでよく見る「パケットつまり」と「パケットロス」は、近い言葉ですが意味が違います。パケットつまりは、回線の混雑などでデータの流れが渋滞し、遅延(ping値の悪化)が大きくなっている状態を指す俗称です。一方パケットロスは、データそのものが消える現象を指します。
渋滞(つまり)がひどくなると、あふれたパケットが捨てられてロスにつながることもあり、両者は地続きの問題です。仕組みを理解しておくと、後の原因切り分けで「これは遅延なのか、消失なのか」を区別して考えられます。混同したまま対策すると、見当違いの設定をいじってしまうので注意しましょう。

パケットロスを測定したくなるサイン|こんな症状が出たら測ってみよう
「測ったほうがいいのか、気のせいか」を迷う方は多いです。次のような症状が出ているなら、パケットロスの測定をおすすめします。
オンラインゲームでラグ・ワープが起きる
対戦ゲームで自分や敵キャラが瞬間移動(ワープ)したり、入力したのに反応が遅れて負ける——これはパケットロスの典型的なサインです。ゲームは現在地や操作を細かいパケットで送り続けており、その一部が消えるとサーバーとの位置情報がズレてしまうためです。
確認の第一歩は、有線接続のパソコンやゲーム機で後述のpingを実行し、損失率を見ることです。ゲーム機単体では測れないので、まずは同じ回線につないだパソコンで測ると原因の当たりがつきます。よくある失敗は、ゲーム側のサーバーが原因なのに自宅回線を疑い続けること。時間帯や特定のゲームだけで起きるかも合わせて記録しておきましょう。
ビデオ通話や動画でカクつき・音切れが出る
ZoomやLINE通話で相手の声がロボットのように途切れる、映像が止まる、画面にブロック状のノイズが出る。こうした症状もパケットロスを疑うべきサインです。リアルタイムの音声・映像は、遅れて届いたパケットを待てずに切り捨てる仕組みのため、ロスがそのまま「途切れ」として現れます。
このときは、通話相手を変えても同じか、有線でも起きるかを確認すると切り分けが進みます。手順としては、症状が出ている時間帯にパソコンで測定を行うこと。失敗しがちなのは、調子の良い時間に測って「問題なし」と判断してしまうことです。不調はピーク時に出やすいので、症状が出ているその瞬間に測るのがコツです。
Webページの表示が時々だけ極端に遅い
普段はサクサク開くのに、ときどき特定のページだけ読み込みが止まる。これも軽度のパケットロスや遅延が関係していることがあります。Webの通信はロスが起きても再送でカバーされるため気づきにくいのですが、再送の待ち時間が積み重なって「時々だけ遅い」という形で表れます。
確認には、ブラウザの再読み込みで直るか、別の端末でも起きるかを見ます。手順は、遅いと感じたタイミングでpingやオンラインツールを回して数字を残すこと。注意点として、Wi-Fiの電波が弱い場所で測ると回線自体の問題と区別できなくなります。ルーターの近くや有線でも測り、場所による差を見ておきましょう。
まずは無料で自己診断してみる
症状に心当たりがあるなら、難しく考えず一度測ってみるのが近道です。測定は無料で、5分もあれば終わります。「異常があるかどうか」が数字で見えると、サポートに相談するときも話が早くなります。
具体的には、この後紹介するpingコマンドかブラウザ測定サイトのどちらかを実行し、損失率を記録します。1回だけでなく、朝・夜・週末など条件を変えて数回測るのが理想です。よくある失敗は、たった1回の結果で一喜一憂すること。パケットロスは時間帯や混雑で変動するため、複数回の平均で判断するのが正しい使い方です。

pingコマンドでパケットロスを測定する方法【Windows/Mac/スマホ】

もっとも基本的で信頼できる測定方法が、パソコンに標準で入っている「ping」コマンドです。アプリのインストールは不要で、宛先に小さなパケットを連続で送り、何個返ってきたかで損失率を計算してくれます。
- Step1: 画面左下の検索窓に「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を開く
- Step2: ping -n 100 8.8.8.8 と入力してEnter(8.8.8.8はGoogleのDNSサーバー)
- Step3: 100回の送受信が終わるまで待つ(1〜2分ほど)
- Step4: 最後の「パケット数」行の損失の数値(%)を確認する
Windowsはコマンドプロンプトの「損失」を見る
Windowsでは、上の手順で表示される「損失 = ○ (○% の損失)」の部分がパケットロス率です。回数を指定しないと既定では4回しか送らないため、安定した数字を得るには「-n 100」のように多めの回数を指定するのがポイントです。送る数が多いほど、たまたまの誤差が平均化されて実態に近づきます。
仕組みとしては、ICMPという確認用の小さなパケットを宛先に送り、返ってこなかった割合を損失として表示しています。手順は、コマンドプロンプトに「ping -n 100 8.8.8.8」と打つだけです。注意点は、宛先サーバー側が確認用パケットをわざと無視する設定だと損失が高く出ることがある点。複数の宛先(例:1.1.1.1)でも測り、特定の宛先だけ悪いのか全体が悪いのかを見分けましょう。
Macはターミナルで「-c」を付けて測る
Macの場合は「ターミナル」というアプリを使い、回数の指定方法が少し違います。Launchpadや検索(Spotlight)で「ターミナル」を開き、ping -c 100 8.8.8.8 と入力してEnterを押します。Macは回数を指定しないと止まらず送り続けるので、必ず「-c 100」のように回数を付けるのがコツです。
測定が終わると「100 packets transmitted, ○ packets received, ○% packet loss」と表示され、この「packet loss」の数字がパケットロス率です。仕組みはWindowsと同じICMPによる確認です。失敗しがちなのは、回数指定を忘れて延々と動き続けてしまうこと。途中で止めたいときは「control(コントロール)キー + C」で停止できます。覚えておくと安心です。
スマホはアプリか測定サイトを使う
iPhoneやAndroidには標準のpingコマンドがないため、スマホ単体で測るなら測定アプリかブラウザの測定サイトを使います。結論として、手軽さ重視ならブラウザのオンライン測定サイト、繰り返し測るなら「Ping」「Network Analyzer」などの無料アプリが便利です。
理由は、スマホはWi-Fi環境による変動が大きく、置き場所や向きでも結果が変わるためです。手順は、アプリを入れて宛先に8.8.8.8などを指定し、回数を多めに設定して実行するだけ。注意点として、スマホはほぼ必ずWi-Fi経由のため、出た数字は「回線+Wi-Fi」の合計の品質です。回線そのものを評価したいときは、後述のとおり有線のパソコンでも測って比較してください。
結果の「損失」の正しい読み方
測定が終わったら、損失率の数字を読み解きます。基本は「損失0%=消えていない(理想)」「損失が数%以上=何かしらの問題あり」という見方です。あわせて、応答時間(time、ms)のばらつきも見ると、回線が安定しているかどうかがわかります。
理由は、ping値が大きく上下している(ばらつき=ジッターが大きい)状態は、ロスの一歩手前であることが多いためです。手順としては、損失率・最小/最大/平均の応答時間をメモしておきます。よくある失敗は、1回の測定の損失0%を見て「完璧」と安心すること。混雑する夜間や、症状が出ている最中に測り直すと、昼間とは違う数字が出ることがよくあります。
無料の測定サイト・ツールで手軽にチェックする方法
「コマンドはちょっと苦手」という方には、ブラウザで開くだけの無料測定サイトがおすすめです。クリック一つで速度・ping・パケットロス・ジッターをまとめて測ってくれます。
| PacketProbe | WebRTCでロス・遅延・ジッターを測定。ゲーム/通話用プリセットあり |
| 回線安定性テスト系 | 一定時間つなぎ続けて安定度を可視化。途切れやすさの確認向き |
| SourceForge Speed Test | 速度・Ping・ロス・Jitterを一度にまとめて測定できる |
| みんそく等の国内系 | 国内サーバーで測定。他ユーザーの実測値と比較しやすい |
クリックだけで測れるオンライン測定サイト
もっとも手軽なのが、ブラウザで開いて測定ボタンを押すだけのサイトです。「PacketProbe」や安定性テスト系のサイトは、ページを開いてスタートを押すと、パケットロス率・遅延・ジッターを自動で計測してくれます。コマンドが不要なので、パソコンが苦手な方でも数十秒で結果が出ます。
仕組みは、ブラウザから測定用の通信を送り、返ってきた割合や時間を集計するというものです。手順は、サイトを開く→測定開始→表示された損失率を読む、の3ステップ。注意点として、サイトによって測定サーバーの場所が違うため、数字も多少変わります。1つのサイトに固定して、同じ条件で繰り返し測ると変化を追いやすくなります。
速度・Ping・ジッターも同時に測れるサイト
「SourceForge Speed Test」のように、速度(下り・上り)とping値、パケットロス、ジッターを一度にまとめて測れるサイトも便利です。結論として、原因の見当をつけたいときは、こうした総合測定サイトを1つ用意しておくと効率的です。
理由は、ロスだけでなく速度やジッターも一緒に見られると、「速度は出ているのにロスが多い」「ジッターも大きい」といった全体像が一目でわかるためです。手順は、サイトを開いてTEST/STARTを押すだけ。終わったら4つの数字(速度・ping・ロス・ジッター)を控えます。失敗しがちなのは、測定中に動画やダウンロードを動かしたまま測ること。他の通信を止めてから測らないと、数字が悪化して正確に測れません。
J:COMの回線・プロバイダ情報も合わせて確認
パケットロスを調べるついでに、自分がどの回線・プロバイダにつながっているかを確認しておくと、サポート相談時に役立ちます。J:COMの回線では、プロバイダ表記に「ZAQ」と出ることがあり、これはJ:COMのインターネット接続サービスを示すものです。回線確認系のサイトを使えば、IPアドレスやプロバイダ、おおよその速度を一発でチェックできます。
理由は、ロスの原因が自宅側か回線側かを切り分けるとき、契約回線の情報が前提になるからです。手順は、回線確認ツールを開いて表示されるプロバイダ名・IPを控えるだけ。注意点として、IPアドレスから表示される地域は実際の住所とズレることが普通にあります。位置情報の誤差は故障ではないので、慌てないようにしましょう。

測定ツールを選ぶときのコツ
たくさんのツールがありますが、選び方はシンプルです。正確さを重視するならpingコマンド、手軽さ重視ならブラウザ測定サイト、と用途で使い分けるのが正解です。両方を併用すると、お互いの弱点を補えます。
理由は、pingは特定の宛先に対する素直な損失率がわかる一方、ブラウザ測定は実際のWeb通信に近い形で測れるからです。手順としては、まずブラウザでざっくり全体像を見て、怪しければpingで宛先を変えながら詳しく追う、という流れがおすすめ。注意点は、海外サーバーが宛先のツールだと、距離のせいで損失や遅延が大きく出ることがある点。国内サーバーのツールも一つ持っておくと、比較がしやすくなります。
測定結果の見方|何パーセントから「異常」なの?
数字が出たら、次は「これは大丈夫なのか、問題ありなのか」の判断です。ここを間違えると、正常なのに不安になったり、逆に問題を見逃したりします。
| 0.1%未満 | ほぼ問題なし。理想的な状態 |
| 1%未満 | ゲーム・通話でも快適とされる目安 |
| 0.5%超〜数% | 映像のノイズや音声途切れが出やすくなる |
| 3%以上 | 利用全体に大きな影響。原因の確認が必要 |
許容範囲の目安は「用途しだい」
結論として、パケットロス率は0.1%未満ならほぼ問題なし、リアルタイム性の高いゲームや通話では1%未満が理想とされています。一方で、3%以上になると利用全体に大きな影響を感じやすくなります。許容できる数字は「何に使うか」で変わる、というのが大事なポイントです。
理由は、Web閲覧や動画視聴は再送が効くため多少のロスでも気づきにくいのに対し、ゲームや通話は再送を待てないからです。手順としては、自分の主な用途(ゲームか、通話か、視聴か)を決め、上の表と照らして判断します。注意点は、これらの数字はあくまで一般的な目安だということ。同じ1%でも、ばらつきの大きい1%は体感が悪く出ることがあります。
ジッター・ping値もセットで見る
パケットロス率だけでなく、ping値(応答の速さ)とジッター(応答時間のばらつき)も一緒に見ると、回線の状態がより立体的にわかります。ロスが0%でも、ジッターが大きければゲームや通話は不安定に感じるからです。
仕組みとしては、ジッターはパケットが届くタイミングのムラを表し、これが大きいと音声や映像の処理が追いつかなくなります。手順は、総合測定サイトで「loss・ping・jitter」の3つをセットで控えること。よくある失敗は、ロス0%だけを見て「問題なし」と結論づけること。ping値が普段の何倍にもなっていたり、ジッターが大きかったりしたら、ロスがなくても改善の余地があります。
「実は」一発勝負の測定はあてにならない
意外と知られていませんが、パケットロスの測定は「1回測って終わり」では正確に判断できません。パケットロスは回線の混雑状況や時間帯で大きく変動するため、たった1回の結果はその瞬間のスナップショットにすぎないからです。昼に0%でも、夜のピーク時には数%に跳ね上がる、ということが普通に起こります。
そこでおすすめなのが、時間帯と曜日を変えて複数回測る方法です。手順は、平日昼・平日夜・週末夜のように条件を変えて測り、それぞれの損失率を記録すること。こうすると「夜だけ悪い=混雑が原因かも」といったパターンが見えてきます。1回の好結果で安心せず、悪い時間帯にこそ測るのが、本当の状態を知るコツです。
状況別の判断ポイント(マンション/戸建て・有線/無線)
同じ数字でも、住環境や接続方法によって見方が変わります。マンションは住戸で回線設備を共有していることが多く、夜間の混雑でロスが増えやすい傾向があります。戸建てでも、Wi-Fi接続なら電波環境の影響を強く受けます。状況に応じて「どこを疑うか」を変えるのがポイントです。
理由は、原因が回線側にあるのか宅内(Wi-Fiや機器)にあるのかで、打つ手がまったく違うからです。手順は、まず有線のパソコンで測り、次に同じ場所でWi-Fiでも測って数字を比べること。有線で問題なくWi-Fiだけ悪ければ宅内側、有線でも悪ければ回線側の可能性が高まります。注意点として、測る端末やケーブルが古いと、回線が正常でも悪い数字が出ます。条件をそろえて比較しましょう。
パケットロスの原因を切り分けるチェックポイント
悪い数字が出たら、犯人探しです。やみくもに設定をいじる前に、次のポイントを順番に確認すると原因に早くたどり着けます。
Wi-Fiか有線かで大きく変わる
もっとも多い原因が、Wi-Fi(無線)の電波環境です。無線は電波の減衰や干渉、家庭内での同時利用の影響を受けやすく、わずかな揺らぎがパケットロスとして表れます。まずは有線でも起きるかを確認するのが、切り分けの最重要ステップです。
仕組みとして、電子レンジや他の家電、近所のWi-Fiが同じ電波帯を使っていると干渉が起こります。手順は、パソコンをLANケーブルでルーターに直結し、同じ宛先でpingを測ること。有線で改善するなら原因はWi-Fi側です。注意点は、有線で測るときに古いLANケーブルを使わないこと。次の項目で触れるように、ケーブル自体がボトルネックになることがあります。
ルーター・LANケーブルの劣化や規格
有線でもロスが出る場合、ルーターやLANケーブルの劣化・規格不足が疑われます。古いルーターは処理能力が追いつかずにパケットを取りこぼすことがあり、古いLANケーブル(カテゴリ5など)は契約回線の速度に対応しきれないことがあります。
理由は、機器やケーブルの規格が回線速度に合っていないと、そこが弱点になってしまうからです。手順としては、ルーターやLANケーブルの規格が契約回線に合っているかを確認し、古ければ買い替えを検討します。LANケーブルは「カテゴリ5e(CAT5e)」以上が一つの目安です。注意点として、見た目では劣化がわかりにくいので、別のケーブルに差し替えて測り直すと判断しやすくなります。
「回線を疑って何度も測ったのに改善しない。よく見たら10年前から使っているLANケーブルがカテゴリ5のまま劣化していて、新しいケーブルに替えたら損失が一気に減った」というのは、有線環境で起こりがちな失敗です。回線や設定をいじる前に、まずケーブルと機器の年式を疑ってみましょう。
回線の混雑(時間帯)が原因のケース
夜間や週末だけロスが増えるなら、回線の混雑が主な原因と考えられます。多くの人が一斉に使う時間帯は、ネットワークが処理できる量を超えてパケットがあふれ、捨てられやすくなるためです。とくに集合住宅では設備を共有していることが多く、この影響が出やすくなります。
確認の手順は、前述のとおり時間帯を変えて測ること。昼は0%なのに夜だけ数%、というパターンなら混雑が濃厚です。注意点として、混雑は自分の機器の問題ではないため、ルーターを買い替えても完全には解決しないことがあります。この場合は、後述の改善策やプラン・回線の見直しを視野に入れる必要があります。
「電波が良くなる気がして」とルーターを窓際に置くと、電波が屋外に逃げて室内が不安定になり、かえってWi-Fiのロスが増えることがあります。床への直置きや、テレビ・電子レンジのそばも干渉の原因。ルーターは部屋の中央寄り・床から1m以上の高さ・障害物の少ない場所に置くのが基本です。
パケットロスを自分で減らす改善ステップ
原因の見当がついたら、いよいよ改善です。費用をかけずにできることから順に試していきましょう。多くのケースは、ここで紹介する手順で体感が変わります。
- Step1: 重要な通信(ゲーム・通話・テレワーク)は有線接続にする
- Step2: ルーター・モデムの電源を抜き、30秒待って入れ直す
- Step3: ルーターのファームウェア(本体ソフト)を最新に更新する
- Step4: 改善しなければ宛先・時間帯を変えて再測定し、サポートへ相談
いちばん効くのは「有線接続に切り替える」
パケットロス対策でもっとも効果が高いのが、有線接続への切り替えです。Wi-Fiは便利な反面、干渉や減衰の影響を避けられません。安定性が最優先のゲーム機・デスクトップPC・テレワーク用パソコンは、LANケーブルでルーターに直結するのが最善策です。
理由は、有線は電波干渉の影響を受けず、ロスやジッターが大幅に減るためです。手順は、ルーターのLANポートと機器をカテゴリ5e以上のケーブルでつなぐだけ。注意点として、すべての機器を有線にする必要はありません。スマホやタブレットはWi-Fiのままで構わないので、「途切れて困る機器だけ有線」が現実的です。配線が難しい部屋には、後述のメッシュWi-Fiも選択肢になります。
2.4GHzと5GHz・置き場所を見直す
Wi-Fiを使い続ける場合は、周波数帯と設置場所の見直しが効きます。結論として、近くで安定して使いたいなら干渉に強い「5GHz帯」、壁を越えて遠くまで届かせたいなら「2.4GHz帯」と使い分けるのがコツです。2.4GHzは電子レンジなどと干渉しやすいため、混雑時にロスが出やすくなります。
設定は、スマホやパソコンのWi-Fi一覧から、末尾が「-a」や「5G」のSSID(5GHz帯)を選ぶだけのことが多いです(設定 > Wi-Fi > 接続先の選択)。置き場所は、前述のとおり部屋の中央・高めの位置がおすすめ。よくある失敗は、2.4GHz帯だけを使い続けて混雑時に速度低下とロスを招くこと。電波の届く範囲で5GHzに切り替えると改善することがあります。
機器の再起動とファームウェア更新
地味ですが効果的なのが、ルーター・モデムの再起動と、本体ソフト(ファームウェア)の更新です。長く使っていると内部にエラーがたまり、処理が不安定になってロスにつながることがあります。再起動で内部がリセットされ、症状が改善するケースは少なくありません。
手順は、モデム→ルーターの順に電源を抜き、30秒ほど待ってからモデム→ルーターの順に入れ直すこと(順番が大切です)。ファーム更新は、ルーターの設定画面(ブラウザで管理画面にアクセス)か専用アプリから行えます。注意点として、更新中は絶対に電源を切らないこと。途中で切ると故障の原因になります。J:COMのレンタル機器は自動更新のことも多いので、迷ったらサポートに確認すると安心です。

自分で直らないときはJ:COMサポートへ
有線でも、時間帯を変えても、再起動しても損失が高いままなら、回線側や機器の故障が疑われます。この段階まで来たら、抱え込まずにJ:COMのサポートへ相談するのが正解です。測定で得た数字(損失率・時間帯・有線/無線の違い)を伝えると、原因の特定がスムーズになります。
理由は、回線設備や宅内の引き込み線の問題は、利用者側では手が出せないためです。手順は、契約者向けのサポート窓口(J:COMカスタマーセンター)に連絡し、症状と測定結果を伝えること。注意点として、料金プランや工事の最新条件は変わることがあるため、契約内容にかかわる話は公式サイトや窓口で確認しましょう。通信速度はベストエフォート型(最大値を保証しない方式)であることも、念頭に置いておくと話がスムーズです。なお、より詳しい根拠は総務省やJ:COM公式サイトでも確認できます。
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まとめ:パケットロスは「測って・読んで・切り分ける」が基本
パケットロスは、速度の数字には表れない「通信の安定性」を左右する重要な指標です。特別な機材がなくても、pingコマンドやブラウザの無料サイトで誰でも測定でき、出てきた数字を正しく読み解けば、原因の切り分けと改善の第一歩を自分で踏み出せます。大切なのは、1回の結果で判断せず、時間帯や接続方法を変えながら複数回測ること。そして、有線かWi-Fiか、機器かケーブルか、混雑か回線側か、と順番に絞り込んでいくことです。
・パケットロスはデータの小包が途中で消える現象。速度が出ていても起こる
・測定はpingコマンド(Windowsは -n、Macは -c で回数指定)か無料サイトでOK
・損失率は0.1%未満が理想、ゲーム・通話は1%未満、3%以上は要注意
・ロス率だけでなくping値・ジッターもセットで見る
・1回で判断せず、時間帯・有線/無線を変えて複数回測る
・改善は「有線化→再起動→ファーム更新→サポート相談」の順
・直らないときは測定結果を持ってJ:COMサポートへ
まずは、いちばん不調を感じる時間帯に、有線のパソコンで「ping -n 100 8.8.8.8」を実行して損失率を確認するところから始めてみてください。数字が見えれば、不安は「次に何をすればいいか」に変わります。通信速度はベストエフォート型のため環境による変動はありますが、測って切り分ければ、自分でできる対策はまだまだあります。なお、料金プランや機器の最新の条件はJ:COM公式サイトでご確認ください。

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